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ブラジルをはじめ、世界中の柔術家やアスリートに愛される果実といえばアサイー。アマゾン原産のこの謎の植物について日本ではあまり知られていない驚きのトリビアを紹介します。
1、アサイーとは
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「アサイー」とはアマゾン地方を中心に生息するヤシの木、またはその果実のことを指します。外見がブルーベリーに似ていることから果実はアサイーベリーと呼ばれることもあります。
「açaí アサイー」という名前はもともとブラジルのインディオであるトゥピ族が話すトゥピ語が語源で、「泣く果物」という意味です。そこには果実をつぶせば涙(果汁)が流れてくるといったニュアンスが含まれているのでした。
ときどきアサイーは果物なのかどうかといったことが議論されることがありますが、少なくともインディオの間では昔から「果物」として認識されていたことが名前からも分かります。
アサイーといえばブラジルのイメージが強いですが、原産地はブラジルに限らず、ベネズエラ、コロンビア、ギアナ、トリニダード・トバゴ、エクアドルなど広範囲に渡ります。
ただし、食文化としてアサイーが世界で最も現地の人々に根付いているのはやはりブラジルでしょう。特にアマゾン地方に位置するブラジル北部でアサイーは市民に欠かせない栄養源となっており、同地域のパラ州とアマゾナス州だけで世界のアサイー消費量の85%以上を占めています。
アサイーの歴史は意外と浅く、ブラジル国内ですら全土に渡って市場にアサイーが出回り始めたのは1980年代から1990年代にかけてのことです。それがやがてブラジルから欧米や日本など海外にも輸出されるようになり、今に至ります。
2、アサイーがブラジリアン柔術家をはじめアスリートに広まった理由
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ブラジリアン柔術やサーフィンがきっかけでアサイーのことを知った人も少なくないはずです。特に柔術家の間ではアサイーはなくてはならない食べ物です。
日本ではまだそれほどでもないですが、ブラジルの柔術家はとにかくアサイーが大好きで、日常的にアサイーを食べる人がたくさんいます。
世界中の柔術コミュニティーにアサイーが普及していったのも、もともとはそうしたブラジル人柔術家の影響があったことは想像に難しくないはずです。ではアサイーがそもそもブラジルの柔術家の間で広まったのは一体なにがきっかけだったのでしょうか。
その大きな理由のひとつがやはり柔術を世界に広めたグレイシー一家が好んで食べていたという背景があります。特にエリオ・グレイシーの兄であり、グレイシーダイエットの発案者であるカーロス・グレイシーが推奨していたことが大きかったでしょう。
カーロス・グレイシーもエリオ・グレイシーもブラジル北部パラ州の州都べレン生まれです。前述したようにパラ州は世界最大のアサイー消費量を誇る地域の一つです。
そこではもともとアサイーを食べる習慣が根付いていたので、カーロス・グレイシーやエリオ・グレイシーが子供の頃からアサイーを食べていたとしても不思議ではありません。
1920年代初期カーロス・グレイシーは19歳で家族と共にリオデジャネイロに引っ越します。その後、1925年にカーロス・グレイシーが最初のグレイシー柔術の道場を設立したことにより、柔術がリオで徐々に盛んになっていきます。
同時に彼が普段から食べていたアサイーが柔術家の間で広まっていったと考えられます。生徒たちの中に尊敬する先生がすすめる食事を取り入れた人も決して少なくなかったはずです。
月日が経ち、あるときをきっかけにリオで柔術家とサーファーの間で交流が生まれます。それについては「柔術家がサーフィンをやる理由とは?実は喧嘩がきっかけだった!」で紹介しているので参照してください。
奇しくも柔術家で初めてサーファーと深く交流を持ったのは、柔術家の間でアサイーを広めたカーロス・グレイシーの四男ホーウス・グレイシーでした。
柔術とサーフィンの交流が始まり、お互いの文化がクロスオーバーしていく中で、多くのサーファーたちがアサイーを食べるようになったことは容易に想像できます。
もともとリオの気候と冷凍のアサイーが合っていたこともあるでしょう。いずれにしてもアサイーは月日を経てリオで柔術の枠を飛び越えたのでした。
アメリカに初めてアサイーを輸入したのはサンバゾン社の代表であるライアン・ブラックとジェレミー・ブラック兄弟だといわれています。二人もやはりサーファーです。
現在ではアサイーはすっかりブラジルをはじめ世界のサーファーやアスリートの間で人気が定着しました。日本で気軽にアサイーが食べられるようになったのも歴史を辿っていけばもとはといえばカーロス・グレイシーからファミリーへと受け継がれたグレイシーダイエットがその普及に多大な影響を与えたのでした。
3、アサイーってそのまま食べれるの?
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そんな歴史を持つアサイーですが、実際はブラジルではどうやって消費されているのでしょうか。
アサイーの果実はそのままではとても噛むことができないほど固く、特製のミキサーで潰してからじゃないと食べれません。
日本で売られているアサイーはほとんどがなんらかの方法で加工されたものでアイス、スムージー、ジュースなどにして消費されています。
シロップや他の果物とミックスして売られていることも多く、その甘さからアサイーの果実も甘いものであるといった間違った認識が広まっています。
しかし本来アサイーの実には甘さはなく、ブラジル北部の市民にとってアサイーはデザートよりも、むしろおかず、あるいは調味料としてキャッサバの粉や魚と一緒に食されているのです。
また、ブラジル北部の人々が普段から食べているナチュラルなアサイーとそれ以外の地域で加工されて販売されているアサイーとは味も濃さも食感にも大きな違いがあります。ナチュラルなアサイーはとにかくクリーミーで濃厚なのです。
冷凍保存、あるいはパウダーなどにして加工しないといけないのはアサイーがその性質上、収穫後に鮮度がすぐに落ちてしまうからです。
そのためアマゾン地方で食べられているナチュラルなアサイーを「açaí integral 精製されていな完全なアサイー」、調味料や別の果物が入ったものを「açaí misturado ミックスされたアサイー」、あるいは「açaí industriado 商品化されたアサイー」といったようにクラス分けがされており、ブラジル人の中でも都市部に住む人々はナチュラルなアサイーを食べたことがない人がほとんどです。
4、アサイーボウルとは
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アサイーの中でも最もよく目にする商品のひとつがアサイーボウルじゃないでしょうか。
アサイーボウルは、アサイーをシャーベット、あるいはスムージー状にして発泡スチロールの器やお椀に入れて売られている商品のことを指します。
アサイーボウルには通常、スライスしたバナナやシリアルが入っており、好みによってはコンデンスミルクを入れてデザートとして食べることが一般的です。
通常アサイー・ボウルとして日本で売られているアサイーは前述した「açaí misturado ミックスされたアサイー」に属するものがほとんどで、ナチュラルのアサイーとは言い難いです。
アサイーボウルとして売られる商品の多くには砂糖やガラナのシロップが混ぜてあり、本来の味とはほど遠く、より一般の人にも食べやすいデザートに仕上がっているのが特徴です。
それでも果肉を素早く冷凍保存することによって高い栄養価を保つことは可能で、健康フードとして人気を呼んでいます。
5、アサイーは赤ちゃんに食べさせても大丈夫?
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アサイーはブラジルで子供から大人まで老若男女問わず、愛されている食べ物です。それは赤ちゃんにも同じことが言えます。
赤ちゃんの場合、離乳食を始める頃の生後6ヶ月以降からジュースやスムージーにしてアサイーを食べさせることができると言われています。
これに関してはサンパウロ大学医学部卒の小児科医アナ・エスコバル先生が自身のサイトでも説明しています。ちなみに女性柔術家のキーラ・グレイシーは赤ん坊の頃から哺乳瓶にアサイーを入れて飲んでいたとインタビューで語っているほどで、ブラジルでは赤ん坊の頃からアサイーを消費することは珍しくありません。
赤ちゃんにアサイーをあげるときに気をつけたいのは糖分の取りすぎです。健康を害する恐れがあるので赤ん坊に与えるときにはくれぐれも無糖のアサイーを選ぶようにしょう。
また、人によってはアサイーを食べることで何らかのアレルギー反応を起こすといった意見もあるので体調不良が起きた場合はすぐに消費をやめましょう。
6、アサイーによるアレルギーや副作用とは?
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あまり聞きませんが、アサイーを食べたことで体調が悪くなったといったケースもいくつかあるようです。アサイーを食べることによっておおそよ次のような症状が出る可能性があることが報告されています。
- 腹痛・胃痛
- 嘔吐
- 便秘
- 身体の痒み
- 鼻づまり
- 目の充血
- 便が黒くなる
- 湿疹
- 体温・血圧の低下
- 呼吸障害
しかしながらいずれの症状もアサイー自体の問題なのか、それともアサイーを過剰に摂取したのが原因なのか、あるいは食べ方(冷たいアイスとして食べる)、保存の仕方に問題があったのかといったことを含め、直接の因果関係をはっきりさせるのは困難です。
いずれにしろどんなものでも食べすぎには注意が必要ですし、自分の身体に合う合わないがあるので体調不良を起こした場合は直ちに摂取を控えるようにしましょう。
7.アサイーの健康効果
食べ物なので人によってはアレルギーがあるのは仕方がないことです。それよりもアサイーがもたらすポジティブな側面に注目したいところですね。アサイーには一体どんな栄養が含まれているのでしょうか。
アサイーはアンチエイジングにいいの?
酸化によって細胞が傷ついていくことを防いでくれる物質といえば抗酸化物質。これがないと酸化分子が フリーラジカル(活性酸素)を形成し、老化につながります。
アサイーがアンチエイジングにいいと言われるのは、この抗酸化物質であるポリフェノールを多く含むことが所以です。アサイーの実一粒だけでもブルーベリー、マーベリー、ラズベリー、イチゴなどの果物よりも、多くのポリフェノールがあることが分かっています。ちなみにその含有量はブルーベリーの18倍です。
アサイーはデトックス効果があるの?
体内に溜まっている毒素や老廃物を出すことをデトックスといいますが、デトックスはほとんどの場合、尿や便を通じて行われます。
それには肝臓と腸の働きが必要不可欠で、便をやわらかくして快適な便通を促し、毒素を排出させる機能を持つ食物繊維が重要な役割を担っています。
アサイーに便秘解消やデトックス効果が謳われるのは、この食物繊維を多く含むことと関係しているでしょう。ちなみにアサイーの食物繊維はごぼうの3倍です。
アサイーで免疫力がアップするの?
アサイーには免疫力を活性化させ、その機能を高める効果のあるアラビノガラクタンが含まれていることから、免疫力アップが期待できると言われています。
また、ビタミンやミネラルが豊富であることもアサイーが免疫力アップにつながると言われる理由のひとつです。
アサイーは疲労回復や貧血にいい?
疲労の原因の一つに鉄分不足が挙げられます。それによって貧血が引き起こされることがあり、体がフラフラしたり、めまいがしたり、だるさがあったり、しっかり休息を取っているのに眠いといった症状が出ることもしばしばです。
アサイーが疲労回復や貧血にいいと言われるのは豊富な鉄分が含まれているからです。その量はなんとレバーの3倍。
鉄分を補うにはレバーを食べればいいとよく言いますが、含有量ではアサイーのほうがレバーよりもはるかに多いのです。
また、アサイーからは良質のアミノ酸(たんぱく質)が採れることから、運動後の筋肉を修復し疲労回復が期待できるのです。
アサイーは眼精疲労にいいの?
眼精疲労とアサイーが結びつけて考えられる理由の一つに、眼精疲労にはブルーベリーを食べるといいといった説があるからでしょう。
アサイーは外見上ブルーベリーと似ていることから比較されることが多いですが、植物上は近くありません。しかしアサイーにもやはりブルーベリーと同様に紫外線から目を守る効果が期待されるアントシアニンが含まれています。
さらに目にとって重要な働きをするビタミンB群も含まれていることがアサイーが眼精疲労にいいと言われる理由です。
アサイーは肌にいいの?
アサイーが肌にいいと言われるのは、アサイーの実に抗酸化物質ポリフェノールが多く含まれているからです。そのため多くの化粧品メーカーがアサイーを使ったアンチエイジング・クリームやスキンケア商品を開発しています。
アサイーの実には肌の水分を保ち、炎症を抑える成分も含まれているためクリーム、石鹸、ニキビ予防といった商品も人気です。
8、アサイーは通販でのまとめ買いがおすすめ
もし初めてアサイーを口にしようと思っている、あるいはすでに食べたことがあり、これから習慣的に食事に取り入れたいと思っている人は、まとめ買いをして一定期間食べ続けるのをおすすめします。少なくとも1ヶ月くらい続けてみて自分の身体に合うかどうか実感してみてください。
健康第一なら無糖のアサイーがおすすめ
健康目的でアサイーを摂取するなら無糖やオーガニックの商品を選びましょう。
飲みやすさを求めるならミックスもあり
デザート感覚で食べるなら、ガラナシロップやほかの果物とのミックスがおすすめです。もちろん糖分の取りすぎにはくれぐれも注意しましょう。