格闘技が好きでブラジリアン柔術をやりたいけど、女の私が大勢の男の中でやるのは気が引ける。そんな悩み相談を受けたのでシェアいたします。
女性の方からこんな質問をいただきました。ありがとうございます。
質問1
はじめまして。私は30代女性です。格闘技や武道が好きで柔術にも興味があります。
幸い近くに安価な会費の道場があり2度見学に行ったのですが男性ばかりで男所帯のイメージがあり寝技中心という事もあり入りづらいなと足踏みしてしまっています。
今は極真空手を数年やっていますが打撃とは違う関節技の面白さに興味を持っています。もともと打撃系に比べて女性会員は圧倒的に少ないと聞いていました。
柔術の試合やテクニックは素人が見てもよく分からず、やっている人じゃないと面白くないのかなとも思いますが男性とスパーリングをする際に相手の方の練習にならなかったり気を遣わせたりしないかなど興味があってもなかなか踏み出せません。
道場で着替えたりしている男性などもいて男所帯の所に入って行く勇気がでないのですが自宅からも近く会費も女性は安く設定されていて柔術には興味あるので非常に迷っています。
質問2
あともう一つは未経験の私から見ると勝敗や技術がよくわかりませんが、そんな状態でもテクニックは上手くなるのでしょうか?打撃と違いクリーンヒットなどが分かりづらいので動画で試合を見てもどちらが優勢で技術があるのかなど分かりません。
入門するなら通いやすい近場と思っています。どんなことでも良いのでアドバイス下さい。宜しくお願いします。
この記事では「質問1」に対して答えていきます。「質問2」についてはまずはルールを覚えて柔術を実際に練習したうえで技術を理解していくしかありません。
実際にやってみると、スイープするのがどれだけ大変か、パスガードがどれだけ難しいか、といったことが分かってくるので徐々に理解が深まるはずです。
それにはこの辺りの記事を読んでもらうといいかもしれません。
これから柔術を始めようと思っている女子は道場選びを慎重にやろう
では「質問1」に答えていきます。
質問者のおっしゃる通り、日本における女性の柔術環境は決して恵まれたものとはいえないです。
会員の割合はだいたいどこの道場も男性が9割以上、女性が1割にも満たないぐらいじゃないでしょうか。場所によっては多少変化するでしょうが、とにかく女性が少ないのは間違いないです。
そして女性が少ないとどういうことが起こるかというと、次のような問題が出てきます。
- 道場に女性用のトイレがない
- 道場に女性用の更衣室がない
- 道場に女性用のシャワーがない
- 女性同士でスパーリングができない
- 大勢の男性の中にいる女性が浮く
これらの課題を全部クリアできる道場は日本では数えるほどじゃないでしょうか。それを考えると、本当に女性が柔術を始めるのはハードルが高いんですね。
逆にいうと、以上の問題の中でいくつ我慢できるか、または気にせずにやれるかが女性が道場選ぶときの鍵になりそうです。
道場によってはトイレ、シャワーは共同だけど、更衣室は別々になっているとか、女性クラスがあったり、そもそも男性生徒も多くないので女性も始めやすいといった道場もあるでしょう。
そういった要素を考慮に入れながら、「この雰囲気、環境ならやれそうだ」という道場を選ぶといいです。
本来なら道場を選ぶときのポイントとして近場にするのは絶対条件なんですが、女性の場合はさらに慎重に考える必要がありそうです。
どれだけ快適に練習できるか、その人のセーフラインがあると思うので、まずは無料体験や見学をして道場の設備、環境、雰囲気を必ず見ておきましょう。
柔術は男子が女子とスパーリングしても練習になる
「男性とスパーリングをする際に相手の方の練習にならなかったり気を遣わせたりしないかなど興味があってもなかなか踏み出せません」
女性の方は特にこういった心配をする必要はないかと思います。なぜなら女性でも本気で練習して強くなれば男性とも十分にやれるようになるし、たとえ力や技術で劣ったとしても、力を抜いてスパーリングしたいと思っている人もたくさんいるからです。
僕もときどき女性とスパーリングしますよ。強い女子は普通に強いですよ。それに変にフルパワーで来る下手な男子より、動きの柔らかい女子と練習するほうがいいなあと思うときもあります。
もちろん相手が白帯だったり、初心者だったりする場合は力は抜くし、怪我をさせないようにと気を遣うこともありますが、それは何も女性だけじゃなく、男性だって初心者が相手なら同じように戦うのでそれほど性別の問題ではないんじゃないかな、と思っています。
まとめ-女子が柔術を始めるハードルは高いけど、やれば面白いよ
女子が柔術を始める際のハードルを下げていくのは今後道場主はもちろん、日本柔術界全体の課題でしょう。
一方で男の中でやるのはつらいといった様々なハードルがあっても勇気を振り絞って最初の一歩を踏み出す女性は踏み出すし、続ける女性は続けます。
ルールが分かりにくいかもしれない。技が地味かもしれない。でもやってみればその面白さは女性にもきっと伝わるはずです。
だからやる前に悩むよりは思い切って飛び込んで行ってください。女性が柔術をやることで得られることも決して少なくないはずです。