ブラジリアン柔術は比較的力を使わなくても戦える格闘技です。しかし全く筋力が必要ないかというとそうではありません。そこで今回は柔術における筋トレの必要性について考えていきましょう。
ブラジリアン柔術をするなら筋トレをするべきかどうか?
率直に言うと、するかしないかで言えば筋トレをするに越したことはないです。格闘技のみならず、フィジカルスポーツでは体がものを言います。
フィジカルや身体能力が優れていなければその道で一流選手になるのはまず難しいでしょう。もちろん大事な要素はそれだけではありませんが、力が強い、筋力がある、というのはいつだって大きなハンデになるからです。
日本人選手は外国人選手と比べると、フィジカルで劣っていることは様々なスポーツで言われていることです。それはブラジリアン柔術でも同じことが言えます。逆に外国人選手にもフィジカルで負けないような日本人アスリートは世界でも十分に通用するはずです(もちろん技術が世界レベルであることが前提ですが)。
ブラジル人やアメリカ人は、 柔術の選手のみならず、一般の人も筋トレをするのが好きな人が多いです。その理由のひとつはやはり格好いい体を作って、異性に持てたいというのがあるはずです。一見、不純な動機のようですが、案外こういう理由のほうが継続できたり、真剣にやるもので、気がついたらいつの間にかすごい体になっていた、なんていうことも珍しくありません。
理由はどうあれ筋力が付いてくれば柔術の試合やスパーリングで絶大な効果が出ることは間違いありません。特に力やフィジカルが強いと「際(きわ)」の部分で強さを発揮します。
ここで言う「際(きわ)」とは、ポジションの奪い合い、極まるかどうかの瞬間、倒れるか倒れないかの局面などを意味します。それこそたった一つのアドバンテージやポイントが勝敗を左右する試合では際が強いがどうかが運命の別れ道になるのです。
ブラジリアン柔術の選手を目指す人なら筋トレは必須
もしあなたが本当に強くなりたいなら筋トレはするべきです。日本だけじゃなく、外国人選手にも負けたくない、というのならなお更です。
中には筋トレが嫌いだという人もいますが、筋トレと一言で言ってもウェイトトレーニング、ケトルベル、自重トレーニング、サーキットトレーニングなど様々な種類があるので、選手を目指すなら嫌とは言わずぜひ自分に合ったものを探しましょう。
何事も楽しんでやるのが一番です。筋トレは正しい方法で継続してやれば誰でも必ず成果が出るので頑張りましょう。外国人選手にも負けない体を作れば、大きな自信にもなるはずです。
筋トレがしたくない人は柔軟性をつけよう
選手志向だけど、どうしても筋トレはやりたくない。自分に合わないし、力じゃなくて技術だけで勝ちたい、というのもひとつの信念です。少数派でもトップ選手の中にもそういう人もいるかもしれません。そんな人はぜひ力に勝るとも劣らない柔軟性を身につけましょう。
特に股関節が柔らかい人は、優れたガードファイターになる傾向があります。どんな相手にもパスガードをさせないぐらいの鉄壁のガード力を付ければ世界で渡り歩いていくことは可能でしょう。筋トレするのは苦でしかないけど、ストレッチをするのは好きだという人はそういった選択肢もあります。
ブラジリアン柔術を趣味で楽しみたいだけの人は無理して筋トレをしなくていい
別に選手志向もそれほどなく、ただ自分のペースでやりたいだけ、という人は無理して筋トレをする必要はありませんし、筋トレをしないと強くなれない、ということでもありません。
したほうが有利だというだけで、人によっては時間が取れなかったり、筋トレ自体にどうしても喜びを見出せない人もいるでしょう。確かにウェイトトレーニングなどは考えようによっては単調な動きを繰り返しているだけで面白くないかもしれません。そんな人は無理せず、柔術の練習のときに思い切り体を動かすようにしましょう。
そもそも柔術の練習はそれ自体が筋トレの要素も含んでいます。全く力を使わないで戦うというのは不可能です。どんな格下の相手とやるのでも、多少なりとは力は使っているはずです。逆に格上の相手とやるときは余計な力をつかってしまうはずです。
そんな中で自然に力はついていきます。なのでただ普通に練習しているだけでも、ある程度は筋力は身につきます。それで十分だという人はそれでも問題ありません。筋トレの是非については、あくまでも自分の目的や目標に応じて考えていけばいいでしょう。