柔術は試合に出ないと強くなれないのか。そんな疑問にずっと趣味として柔術を続け、黒帯になった僕が答えます。
読者の方からこんな質問をもらいました。ありがとうございます。
地球の裏側からこんにちは。私は今縁あってメキシコで柔術を数ヶ月前から始めました。(過去にキックボクシングを7年程経験)。
柔術をやってみようかな、と思ったころからこのブログを読ませて貰っています。
さて、質問の内容としては、例えば、私がいつの日か青帯になった時、試合に出れずに青帯になった場合と試合に出て青帯になった時には実力に差が出てしまうものなのでしょうか?というのも、先日試合に出たい旨を伝えて見たところ、「約2カ月間週6で最低1日2時間以上は練習出来ることを約束出来ないと試合には出せない(どんなに小さな大会でも)」とのことでした。
キックをやってた学生時代ならそれぐらい当然、と思えましたし、やはり出るからには優勝したいのでそうしたいのですが社会人で家庭を持っていると中々それは約束出来ず、週3〜4は出来ても週6は出来ないので、今は泣く泣く試合出場は諦めることにししました。
柔術自体は凄く好きで、ジムの環境も運良く黒帯の先生に教えてもらえるジムを見つけることが出来、いつもスパーの相手をしてくれる仲間も青、紫、茶なので非常に恵まれていると思います。
やはりキックの選手であった経験則からすると、「試合に出ないと強くなれない」とどうしても考えてしまいます。ですが、自分の出来る範囲で地道にフィジカル、技術面を伸ばすことが出来れば試合に出れなくとも選手に負けずとも劣らない実力はつくでしょうか?(試合とスパーは違うので”実力”というのがかなり広い意味合にはなってしまいますが…)
(中略)長々と下らない質問になってしまいましたがご教示頂けますと幸いです。よろしくお願い致します。
では答えていきますね。
柔術は試合に出たほうが確実に強くなる
柔術を続けていくうえで試合に出たほうが実力が上がるのはもはや議論の余地がないでしょう。試合に出ながら練習を続けている人と練習だけしている人とではどうしても大きな差が生まれやすいです。
試合に出ると強くなるおおよその理由は次の通りです。
- 試合に出ると勝負強くなる
- 試合に出るとメンタルが強くなる
- 試合に出るとフィジカル&体力が上がる
- 試合に出ると目標を立てやすくなる
- 試合に出ると反省点に気づく
- 試合に出るとモチベーションが上がる
試合に出ると強くなる要素がこんなにあるんですよ。これだけの要素を日々の練習だけで得るのは至難の業ですよね。
例えば、私がいつの日か青帯になった時、試合に出れずに青帯になった場合と試合に出て青帯になった時には実力に差が出てしまうものなのでしょうか?
おそらく実力差が出るのは白帯や青帯など初期の段階ではなく、もっと後のことですね。強いて言うなら黒帯になったときに雲泥の差が出ますよ。
というのも僕自身数えるほどしか試合に出ずに黒帯になったんですが、コンスタントに試合に出続けて黒帯になった人たちにどんどん後から実力的に追い抜かれていった経験が多々あるからです。
白帯や青帯のときの差なんてそんなに大したことないんです。でも茶帯や黒帯になる頃には試合に出続けているアスリートと趣味でやっている人の間には決して埋めることのできない差ができているはずです。
柔術は試合に出なくても練習すれば強くなる
かといって試合に出なければ柔術は強くなれない、ということではありません。試合に出なくても練習さえ続けていれば今の自分と比べたら明日のほうが、明日の自分と比べたら明後日のほうが強くなっているのが柔術の良さだと思います。練習は裏切らないです。
ただ、他人と比べてより強くなれるかどうかは自分の実力と相手の実力次第なのでなんともいえないですね。
自分の出来る範囲で地道にフィジカル、技術面を伸ばすことが出来れば試合に出れなくとも選手に負けずとも劣らない実力はつくでしょうか?
現実がどうであれ練習だけでも十分に強くなれる、という可能性や希望は持ち続けるべきでしょう。
実際、趣味でやっているだけなのに黒帯の実力者ともバリバリスパーリングできる人を僕は何人か知っています。
毎日練習しているわけでもないし、たまにのほほんと道場にやってきては涼しい顔でみんなを倒していくみたいな天才肌ってたまにいるんですよ。
あるいはおっさんになってもすごく強い人とか。海外に行くとそういう選手がいますね。
もちろん目標をどこに置くかにもよるんだけど、「選手に負けずとも劣らない実力をつける」というのも本人次第で不可能ではないと思いますよ。
まとめ – 柔術ライフは試合だけが全てじゃない
今回は試合に出なくても強くなれるか、について考えてみました。
大抵どこの道場も一部のアスリートと大部分の一般会員に支えられているのが常で、試合に出ない人のほうが大多数なんじゃないでしょうか。
だから試合に出ないことの引け目を感じることもないし、自分のできる範囲の柔術ライフを設計していけばいいと思いますよ。なにより楽しんでやることが一番大事だから。逆に試合に出まくったせいで早いうちに燃え尽きてしまって柔術を辞めていく人もいますしね。