柔術はガードワークばかりが注目されがちですが、それに対抗するパスガードも忘れてはいけません。レベルが高くなると、相手のガード力が上がってくるため、パスガードはなかなか簡単にできるものではありません。
特に日本人はガードファイターが多く、パスガードを得意としている選手が少ないのも特徴です。そんな中でしっかりとしたパスガードを覚えることで周囲に差を付けましょう。
柔術のパスガードの基本的な3つの考え方
1、相手の脚を制しても意味はない
柔術ではガードが強い人のことを「脚が利く」といったりすることからもパスガードというと、相手の脚ばかりに注目しがちですが、実は相手の脚を掴んだところでほとんど意味はありません。なぜなら相手の脚をコントロールしたところで脚から上の体は全て自由になっているからです。
なかなかパスできないという人は自分が相手の脚にばかり気を取られていないか、今一度考えてみましょう。
2、相手の腰をコントロールする
脚ではないならどこを制したらいいのか。それは相手の腰です。腰を制すれば相手の下半身はまず動けなくなります。
それを一番分かりやすく体現しているパスガードがレッグドラッグです。レッグドラッグのように相手の腰を折りたたむようにすれば相手の下半身は自由が利かなくなります。どんなガードに対してもこの体勢にまでたどり着くのがパスガードの理想の形といえるかもしれません。
3、相手の首をコントロールする
腰と同じくらい大切なのは相手の首をコントロールすることです。首を制することができれば相手はブリッジなどの体を起こす動きができなくなります。理想は腰、首の両方を制することですが、場合によってはどちらかしかできないこともあります。それでもしっかりと圧力をかけていればパスガードは成立します。
まとめ
パスガードにもたくさんの種類がありますが、きちんと覚えるにはやはり打ち込み(ドリル)練習が必要不可欠です。スパーリングの中だけで覚えようとすると、どうしても技術が荒くなってしまうので、力を抜いた状態で何度も反復練習をして体に染み込ませるのが理想です。
パスガードができるようになると、そこからニーオンベリーでポイントを稼ぐのもいいし、バックコントロールやマウントポジションに移行するのもいいですし、何より極める選択肢が広がります。攻撃における基本中の基本ともいえる動きなので、たくさん練習して身に着けましょう。