女性でもブラジリアン柔術を楽しむことができるのか。そのためにはまず何をするべきか。柔術の練習にできるだけ早く慣れるために女性がやるべきことを考えてみました。
女性の方からこんな質問をもらいました。ありがとうございます。
ある道場で5,6回練習しました。きついです。準備練習もきついです。どの様に練習したら早く慣れますか?
こういう質問には本来は女性の柔術経験者が答えるべきでしょう。僕でも想像で答えることはできますが、なかなか女性目線に立って考えるのは難しいところです。なので自分の考えが及ぶ範囲でお答えしたいと思います。
では回答いきます。
1、男と自分を比べない
初心者の人が柔術の練習に慣れるまで「きつい」という印象を持つのは仕方がないことです。女性の場合、男性と混ざって練習することもあり、余計にそう感じるんじゃないでしょうか。
それなのに同じ条件で、同じメニューの練習をすることを考えると、自分ばかりが練習についていけていないような気になってしまうのも無理はないでしょう。
そこでまず大前提として男と比べても仕方がないというのがあります。女性でも猛練習して、強くなればそれこそ男とでも十分にやり合える実力にまでたどり着く人もいますが、そこまでのレベルになるのは全体のごく一部です。
そもそも男と女とでは筋肉量や体重や体格が違うので比べること自体が間違っているでしょう。道場内には男ばかりだし、男にだって負けたくない、と思うのも無理はないし、負けん気の強い女性はやっぱり強くなるし、それはそれでいいことなんですが、特に初心者のうちはあんまり意識しぎると、楽しくなくなっちゃうんじゃないかなあと思います。
きつくて当たり前なんですよ。だって男と技の練習するだけでも重いですからね。体重や筋力があまりに違うとスイープを仕掛けてもびくともしなかったり、ただ上に乗っかられるだけでも息苦しかったり、なにかと大変ですもんね。
それなのにスパーリングまで男とやったりするんだから、できなくて当然、負けて当然って最初の頃は開き直っていいと思いますよ。
2、基礎体力&筋力をつける
男と練習するのは大変だと言っても、いつまでも上手く動けないのは面白くないので、もっと柔術が面白くなるためにまずは基礎体力と筋力をつけることをおすすめします。
そのためにはサーキットトレーニングをしたり、走り込んだり、筋トレしたりするのが一番です。私は華麗な技だけで美しく戦う、というのも一つの考えだけど、やっぱり柔術が強い女性って力も強いですよ。
女性といえど、強くなるためには基礎体力と筋力トレーニングは避けて通れない道だと思います。
3、実力や体重の近い人とスパーリングする
できるだけ体に無理な負担をかけずに練習に臨むためには最初の頃はできるだけ実力や体重の近い人とスパーリングするようにしましょう。
もちろん相手が男なら手加減してやってくれるでしょうが、それでも重いものは重いです。自分の体格に合った人とやったほうが習ったことを応用するときに手ごたえが違いますし、技が極まる可能性も増えます。
それはスパーリングだけじゃなく、技練でも同じことが言えます。もし自分の体重が軽いなら、軽い人とペアを組んでやれば比較的無理なく体を動かすことできるはずです。
4、女同士で練習する
しかしたとえ同じ体格、体重の相手が道場にいたとしても相手が男だったら筋力の差は明らかです。やはりなんていっても一番の理想は女性同士で練習をすることでしょう。これが女性が柔術に慣れる一番の近道じゃないでしょうか。
女性同士が同じ空間に集まって楽しく練習できれば、「きつい」という感覚も大分軽減されるはずです。となると道場を選ぶ段階で、女性会員の人数を確かめることは女性にとっては必須じゃないかと思いますね。
もし家の近所に理想の道場がない場合は仕方がないですが、いくつか選択肢があるなら女性会員が多い道場あるいは女性クラスがある道場を探すべきです。女性のインストラクターがいたらもう言うことないですね。
まとめ ―女性が柔術に慣れるには環境が大事
キッズクラスがないと子供が伸び伸び練習できないのと同じで、女性クラスがないと女性たちが柔術を思い切り楽しむ機会も減るはずです。
女性が柔術に慣れるにはひとりひとりがどうするべきかという問題だけでなく、道場側がどういった環境を女性に提供できるかが大きいと思います。
その点、最近ではカルペディエムが東京で女性専用の道場をオープンしたりと、女性の柔術環境も少しずつ変わろうとしています。
今後もっともっと女性クラスや女性専用道場が増えて女性が柔術を始めることのハードルが下がっていけばいいですね。